映画「ブレードランナー」が作った80sの強い女性像

2012年3月27日 11:28

2009-2010の秋冬、バルマン、アレキサンダー・ワン、ニナ・リッチなどのブランドの影響で、再び世界中の都市を駆け巡った80sトレンドは記憶に新しいですが、そのイメージの元になったと思われる映画があります。
それが1982年に制作された、リドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演の映画「ブレードランナー」です。

 

ストーリーは…..
未来の2019年、酸性雨が降りしきるロサンゼルス。ある企業が強靭な肉体と高い知能を併せ持ち、外見からは人間と見分けが付かない人造人間「レプリカント」を作るが、賢すぎた為に、制御が利かなくなったレプリカント5体が人間を殺して逃亡する。
解体処分が決定したこの5体の処刑のため、警察組織に所属するレプリカント専門の賞金稼ぎ・ブレードランナーであるデッカードが、単独追跡を開始する….。
というもの。

 

コンピューターグラフィックスが普及していなかった時代、作り方はアナログでありながら、まるで本当の未来を見ているような、完璧な美しさで作られた映画のセット、衣裳、ヘアメイクは人々の度肝を抜きました。

 

私は1995年当時ニューヨークに留学していました。この映画の大ファンだった私は、保存されている「ブレードランナー」のセットを実際に見に行った事があります。
映画の中では巨大な山のようだったビルは横幅3mほどのミニチュアで作られていましたが、その素晴らしさ・精巧さに驚かされ、感動したことを思い出します。

 

チャールズ・ノッドとマイケル・カプランによる映画の衣裳デザインは多くのデザイナーに影響を与え、その美しさは、最近映画監督デビューを果たした、グッチの元デザイナー、トム・フォードがフェイバリットの映画に挙げているほどです。
実際にトム・フォードが一時手がけていたイヴ・サンローランなどではその影響も見られました。

 

その映画の中に登場した2人の女性レプリカントのファッションは、新しい女性像として80sの最先端となったのでした。

 

 

そして、その女性像はいまだにリバイバルを続けています。
先シーズンの80sトレンドとして登場したものは、丁度その2つのイメージを融合したようなイメージでした。

 

一人はパンク&グランジファッションのダリル・ハンナ演じる「プリス」です。

 

近年のパリコレクション、マルタン・マルジェラ2008年春夏にその影響がうかがえたり、クリスチャン・ディオール2006年秋冬に映画と同じメイクをしたモデルが登場したりしました。

 

 

そしてもう一人はショーン・ヤング演じる「レイチェル」です。

 

その影響がもっとも現れていたのは、故アレキサンダー・マックイーンによるジバンシー1998年秋冬コレクションでした。
ウィング・ショルダーのスーツ、ジオメトリックな柄、ヘアスタイルなどはショーン・ヤングが演じた「レイチェル」そのものでした。

 

ひとこと

映画ファンに高く評価されている近未来SF映画の金字塔「ブレードランナー」は近年、再編集、デジタル修正を行って、更に美しい映像で甦り、再上映されました。
80sの女性像の元となり、多くのファッションデザイナー達に影響を与えたこの映画、28年経った現在でも真似されるその美しさ、素晴らしさは必見です!。
(スタイリスト科担任 I野)