芸術的な衝撃!「時計じかけのオレンジ」

2008年10月27日 14:43

時計じかけのオレンジ」はスタンリー・キューブリック監督のイギリス映画で、日本での公開は1972年。
舞台はロンドンの近未来。暴力やセックスなど、欲望の限りを尽くす荒れ果てた自由放任と、管理された全体主義社会とのジレンマを描いた、風刺的作品。映画の主人公である不良少年を通し、キューブリックの大胆さと繊細さによって、人間の持つ悪の部分を表現したSF映画です。
主人公のアレックスをリーダーとする少年4人組”ドルーグ”の格好はボーラー・ハットと白いシャツ・スーツに白いサスペンダー、股間にフェンシング用プロテクター、パンツの裾は編み上げの黒いワークブーツにインしている。手にはステッキを持ち、右目のみ、まぶたの上下に太くて長い付けまつげを付けている。バランスが絶妙で、一度観たら絶対に忘れらないほど印象的です。

 

この映画の美術はあらゆる面で素晴らしく、芸術的な衝撃で観る人を圧倒します。現在でも、映像、メイク、インテリア、ファッションなどで、その後のクリエイターや、ファッションピープルに影響を与え続けています。

 

 

東京で再ブームになった公開から20年後、ちょうど私が専門学校生の頃には、この映画の影響で、いたるところでボーラー・ハットとパンツの裾をブーツにインしたスタイルを見かけました。中にはステッキまで持ち歩く強者も。さらに時は経ち、キューブリックの死後、英国でこの映画が再上映されるようになると、再びそのスタイルのブームが復活しました!その影響は、当時の音楽雑誌”SPIN”の表紙で、当時のARTIST OF THE YEARだったラッパー”EMINEM”の格好が映画の主人公アレックスのコスプレだったほどです。

 

現在では、例えばディエチ・コルソコモ・コムデギャルソンなどで取り扱いのある、ロンドンの新注目ブランド “RODNIK”は、このキューブリックの映画、『時計じかけのオレンジ』をテーマにした2008年春夏コレクションで、ランウェイデビューし、そのデザイナーPhilip ColbertとRichard Ascottの格好も、主人公のアレックスさながらのコーディネートでした。またインテリアでは、パリで作品を発表している吉田泰子のブランド”TOGA”の恵比寿の直営店が、映画の主人公の自宅をそのまま再現したような内装で、(現在は原宿に移転)そこはまるで映画のセットにいるかのようです。

 

ひとこと

このように確かなセンスと新鮮な感覚に満ちたこの映画は、世界で活躍するクリエイター達のインスピレーションの源として、活躍しているのです。
まだこの映画を観ていないクリエイターを目指す方に!是非おススメしたい作品です。
(ファッションビジネス科担任 I 野)